スキー vs スノーボード
スキー vs スノーボード
バックカントリーにはスキーとスノーボードがあります。登って滑るという作業は同じですが、登る手段が異なります。スキーはスキー板にシールを装着して登りますが、ボードはスノーシューを履いて登るのが一般的となっております。おのずと行動パターン、機動力に差が出てしまいます。そのあたりのことをまとめてみます。
ハイクアップ 要するに歩くとき
スキーはシールを装着して登り、スノーボードはスノーシューを履いて登るというのは前述の通り。それぞれの違いと長所&短所を並べてみましょう。
- ラッセル力に関してはスキーに軍配が上がるでしょう。雪が深ければ深いほど、スキーが有利になります。スキーは埋まりが少ないのはもちろん、埋まったスキーを前に押し出せばトップが浮き、前に進むことができます。対してスノーシューは埋まりが深い上に、次の一歩を踏み出すには、雪面まで足を持ち上げる必要があります。時間を費やし、体力も消費します。
- メジャーなルートなど、しっかりとトレースがある場合は、それほど差は出ません。逆に急斜面の場合は、スキーはジグザグで登るのに対し、スノーシューは直登できるので、スノーシューの方が有利になる場合もあります。
- スキーの場合、シールで登れなくなった際、ツボ足になるか、さらにアイゼンを装着することになります。スキー板をザックに取り付けるのは、意外と手間がかかるものです。ボードは滑る以外は終始スノーシューなので、付け替えなどの手間は必要なし。
- アップダウンがある地形では反対の現象が起こります。シールはある程度滑ることもできるので、細かいアップダウンはシールを着けたまま。滑れるぶん、スピードも速い。対してボードはスノーシューからボードに替えるか、スノーシューを履いたまま登ったり下ったりすることになります。こんな地形の場合は圧倒的にスキーの勝利。
滑りはどうでしょうか・・・?
滑る分にはどっちがどっちというより、個人の技量によるところが大きいかも。スノーボードはやったことがないので、推測の域でのお話になります。
- バックカントリーには多種多様な雪質があります。極楽パウダーから極悪モナカまで。他には激重雪、アイスバーンなど。スキーは2本の細い板で滑るので、雪質による影響を受けやすいと思います。ボードは一枚の太い板なので、雪質による影響は少ないと思われます。まあ、このあたりはぞれぞれのフィーリングがあるので、どっちが楽しいとか有利とかは一概には言えないと考えます。
- バックカントリーではずっとコンスタントに下っているとは限りません。部分的に平坦になっていたり、傾斜の緩い林道はよくあるシチュエーション。ここでスキーとボードの差が大きく出てきます。スキーは平坦になっても、漕いだりして通過できますが、ボードは止まってしまうとタチが悪くなります。ボードをはずして、雪が深ければスノーシューを履かねばなりません。
- 密林地帯、痩せ尾根、その他難所が出てきた場合、スキーなら初級者でもボーゲンでかわしたりできますが、ボードは技術が高くないと通過が難しい場面があると思われます。
スキーとスノーボードは共存できるか?
これが本題です。スキーとボードは共存できるのか・・・?ストレスなく共存できるルートは意外と少ないかも・・・?共存できるルートというのは、定番中の定番ルート、単純に登って滑るだけのルートだけになってしまうでしょう。
アップダウンのあるルート、平坦な部分が多いルート、傾斜の緩い林道がある場合など、スキーとボードでは行動パターンが変わってきます。このような場合は、確実にボードはスキーに置いていかれることでしょう。
スキーヤーがシールを着けるタイミング、ボーダーがスノーシューを履くタイミング、逆にシールをはずすタイミング、スノーシューをはずすタイミングが、それぞれずれるのも厄介です。
スキーとボードが共存するには、ボードが苦手とする場面のないルートを選ぶということです。そうでないルートに行く時は、スキーとボードの混成パーティーはストレスが生じてしまいます。
スキー場からちょこっと登って滑るサイドカントリーは、ボードだろうがスキーだろうがたいした問題になりません。


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