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進化するテレマークスキー

進化するテレマークスキー

テレマークスキーはノルウェー南部のテレマルク (Telemark) 地方を中心に発展。スキーの原型がテレマークにあり、そこから滑ることに特化したアルペン、歩くことに特化したクロカンが生まれたということです。要するにテレマークスキーは滑ることもできるし、歩くこともできるという、万能なスキーなのです。

そんなテレマークスキーですが、21世紀前からブーツ、ビンディング、板に変化が起きました。それ以前は革靴に細くて長い板を着けて滑っていました。そんな感じなので、おのずとフィールドは丘のような緩い山。急斜面やアイスバーンを滑るには、剛性がないので困難だったのです。

プラスチックブーツの出現

登山靴でアルペンスキーを滑った経験のある人ならわかるでしょう。スキーブーツに比べ、登山靴はカットが低くて柔らかい。なので、エッジを効かそうと頑張っても、靴がフニャーっとなり力が伝わりません。

革のテレマークブーツも同じようなことが言えます。それがプラスチックブーツの出現により、剛性が格段にアップし、急斜面や硬い斜面も安定して滑ることができるようになりました。

プラスチックブーツの出現後は、滑ることに重きを置く傾向が高くなりました。剛性がより強くなり、ハイカットなモデルもラインナップされてきました。2008年にはNTNシステムという、新しい規格も誕生。

前後左右に不安定なため、編み出されたテレマークターン。なのに、ブーツや板の進化でテレマークターンの意味がなくなりつつあります。今のブーツと板なら、アルペンターンで滑れてしまいます。だったらアルペンでいーじゃねーか!という塩梅です。軽快がウリだったテレマークは、現在では影も形もなくなってしまってます。

そこで、最近では時代に逆行(?)し、以前の革靴&細板のテレマークスキーが復活する気配を見せています。不安定なのが楽しいテレマークなのです。

スキー板の進化

皮靴に装着されるスキー板は、幅が太くて60mm、長さが2mm近くもありました。今の板は太く短くなってますよね。皮靴に太い板では、とうていエッジに力が伝わりません。太さを長さでカバーしていたのです。

スキー板が進化したというよりも、ブーツの進化に引っ張られているといった感じでしょうか。プラスチックブーツの出現により剛性が高まると、太い板を履くことが可能になってきました。

数年前まではセンター80㎜の板でもファットと呼んでいました。今ではバックカントリー用だと一番細い部類に入ります。スキー板の極太化が進み、今やセンター130㎜を越す板も出ています。さらに形状も変化し、今では『ロッカー』と呼ばれるスキーの先がしゃくれた板が主流となっています。

板の極太化はどこまで進むのでしょうか?ここまでくると、本当にテレマークってなんなの?と言いたくなります。ボクは完全にザラメになるまでは、センター100mmの板をオールラウンド的に使っています。アイスバーンの時はもう少し細い方が良いなあ・・・と感じ、深雪ではもう少し太い方が良いなあ・・・と感じます。テレマークをやるには、雪質や季節に合わせ、数本の板を持って使い分けるのがベストです。

ビンディングの進化

テレマークビンディングの原型とも言えるのが、3ピン式のビンディング。革靴との相性が良いです。最近の太板とプラスチックブーツ(先端に3つ穴があれば)でも履けるが、履く意味はないような気がします。進化型のクロカンにも使用されています。

次に登場したのがケーブル式で、後のバックルで装着するタイプ。プラブーツとの相性も良く、これで滑りの性能が格段にアップし、現在の滑降重視のテレマークの先駆けとなりました。現在最も普及しているタイプのビンディングです。

テレマークのビンディングはバネになっています。ラッセル時、アルペンビンディングだったら板を前に出せば、自然に板の先端が雪の上に出てこようとするが、テレマークの場合はバネがあるおかげで、下にいこうとします。実際にやってみないとイメージはわかないと思いますが、ラッセルには苦労するのです。

また、キックターンにおいても、かなり不利になります。これもやってみて初めてわかることですが・・・。通常の歩行時にもバネの負荷で少ないながらも疲労の元になります。これを解消したのが、ツアーモード付のビンディング。ほぼアルペンビンディングと同じ感覚になり、ラッセルとキックターンの苦労は解消されました。

そして、数年前に登場したNTNシステムのビンディング。NTNはまったく新しいコンセプトで生まれ、専用のブーツが必要になります。ステップインで履くことができ、スキーブレーキも付いています。ブーツはアルペンビンディングにも装着可能。もちろんウォークモード機能もあり。とにかく剛性があり、ハードな滑りを想定しています。ここまできたら、テレマークの意味があるのか疑問を感じるほどです。

このように、どんどんと進化したテレマーク。もはやアルペンに近いレベルの滑降が可能となってきました。かたや、時代と逆行する形で、“古き良き時代のテレマーク”とか言って、細板&革靴で滑る人も多くなっているのも事実です。不安定さを楽しむテレマークスキー。今後どのような方向に進んでいくんでしょうね・・・。

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