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雪崩ビーコンとは電波の受信・発信することがでる道具です。通常の行動時は発信状態で装着します。そして、もしビーコン装着者が雪崩に埋まった時、受信モードに切り替え、埋没者が発信している電波を辿りながら探し当てるというものです。
なので、ビーコンは1人だけ所持していても意味のないものです。パーティー全員が持ってこそ、はじめて意味のあるものになります。また、持っているだけではダメで、探し当てるのには習熟が必要です。繰り返し訓練することが重要なのです。
また、ビーコンだけ持っていてもダメで、最後にピンポイントで捜索するためのゾンデ棒(プローブ)、掘り出すためのスコップも必需品です。このビーコン、ゾンデ棒(プローブ)、スコップの3つは「三種の神器」と呼ばれています。
掘り出したところまでいったとしても、セルフレスキューをマスターしていなければ、これまた困ったことになります。セルフレスキューとは簡単に言えば、プロのレスキュー(救助隊)が来る前に、自分たちでできるレスキューのことです。応急処置と思っておいてもいいかな。定義はもっと深いようですが・・・。
まず、何よりも重要なのが雪崩に遭わないこと。雪崩に遭わないために勉強することはたくさんあります。雪崩のメカニズムを勉強することで、ある程度防ぐことができます。知識としての勉強と、天気の推移、現地での弱層テストや周囲の観察などです。
とにもかくにも、雪山、とくに山スキー(バックカントリー)をするのなら、ある程度のレベルの学習をすることが、雪山に入るための義務といえます。
捜索方法を詳しく書くと、数ページにも及びますので、ここでは概略のみとします。捜索方法は本やネットで調べても、あまり深くは理解できません。実際に広い場所で試してみて、はじめて納得できると思います。
まずはビーコンの電波特性というものを理解しましょう。ビーコンの電波は楕円状に発信されていて、電波を強く受信する方向に埋没者がいるわけではありません。
1、初期捜索 まずは埋没者からの第1波を探します
2、絞り込み捜索 第1波を拾ったら、埋没場所を特定させます
3、埋没場所が特定できたら、ゾンデ棒でのピンポイント捜索に入ります
4、スコップ等で掘り出します
5、でき得る限りの応急処置をし、状況により今後を判断する
15分を境に生存率がグッと下がるようです。限りある時間の中でできるだけ早く埋没場所を特定します。埋没が浅ければいいですが、深い場合は掘り出すだけでも5分、10分とかかってしまいます。
実際は様々なケースがありますので、ケースに応じた訓練を行います。また、二次遭難等に十分気を配る必要があります。
・デジタルかアナログか
一応デジタルビーコンとアナログビーコンの2種類が存在します。はじめはアナログのみでしたが、今ではほとんどがデジタルになりました。なので、デジタルかアナログかについては触れる必要はないでしょうね。デジタル買っときましょう!
現在販売されているアナログ機種は、オルトボックスのF1フォーカスだけでしょうか。この機種がビーコンの普及に寄与したと言われています。アナログ使い込んでいるは、やはりアナログの捜索方法に習熟しているようで、その人たち向けにオルトボックスが残しているでしょうね。
・デジタルかアナログか
シングルアンテナ、ダブルアンテナ、トリプルアンテナがあります。シングルは主にアナログの機種です。ダブルとトリプルの違いは、ピンポイント捜索になった時の的確性です。近くまではどのビーコンでも行けるけど、最後の最後は狭いほど掘り出しの時間が短縮できます。
デジタルアンテナはアナログに比べて受信感度が低いとされています。遠くにある時は自動でアナログになる機種もあります。理にかなっていますね。
雪崩ビーコンはメーカーや販売店、雪崩学者、雪崩マニアの策略によって普及しているのでは・・・?と時々勘ぐってしまいます。三種の神器と呼ばれるくらいに、意味のあるものなのでしょうか?まず「雪崩に遭わない」という大前提があります。雪崩に遭わなければ、ビーコンやゾンデなるものは全く必要ないわけです。絶対に雪崩に遭わない自信があれば、ビーコンは買わなくてもよいわけです。
ところが、万が一雪崩に遭ってしまったら・・・。一部でも表面に出ていたらいいのですが、手掛かりがない場合はお手上げ状態です。ビーコンがなければ、ゾンデがなければ、スコップがなければ、なす術がないのです。
ビーコンは万が一のために装備として持ちます。そして、万が一のために訓練します。一秒でも早く発見できるように、繰り返し訓練します。訓練していないと、絶対に実際の現場では使えないと思います。
また、変な話ですが、仮に時間が経過して生存が絶望的となったとします。捜索は遺体だったとしても発見されるまで続きます。もしビーコンを装着していなかったら、発見されるまでに膨大な時間が費やされることでしょう。二次遭難のリスクも高まります。ビーコンを装着して電波を発信していれば、それほど時間はかからないでしょう。ビーコンは遺体捜索を短時間で行う役目もあるのです。
そんな煮え切らない道具が雪崩ビーコンなのです。
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